
NPO法人子育てkitchenグループ
理事長 田中由美子
子育てkitchenグループ設立にあたって
子どもの「自分でやりたい!」気持ちに対して、親はその気持ちを理解しながらも、時間もない、自分でやるほうが早いし確実。
そう思う時もあったので、気持ちはとてもよくわかります。
一方で、私には確信がありました。
小さい子どもでも、予想以上に考えて行動している
私の母は共働きで忙しく、4歳の私が「かまぼこの板が欲しい」と言えば、
「裏に大きなベニヤ板とノコギリがあるから、自分で作りなさい」と、ノコギリの使い方を教える人でした。試行錯誤しながら、それなりの大きさにベニヤ板を切ったのを覚えています。決してきれいな長方形とは言えないけれど、その体験は、私に大きな自信をくれました。
危ないといわれる刃物を使って、欲しいものを自分で作り出すことができる。
・どう動かせばノコギリがスムーズに動くか
・直線に切るにはどうするか
4歳の頭でいろいろ考えたことを覚えています。
子育てのことは、何もわからないで始まったけれど、子どもの力を信頼することだけは決めていました。もちろん、小さな時にはできないこともありますが、やりたがることは、命の危険が伴わない限りやらせてあげたいと思っていました。
長男が1歳半ごろ、料理中にそばに寄ってきて、シンク下にスペースに入っていたボウルと泡だて器を自分で出して、カチャカチャやっている姿を見て、私のマネをしていると気づきました。
形のマネからスタートしましたが、あっという間に本物の料理を一緒にしたがるようになりました。2歳では、混ぜる・捏ねるだけでなく、包丁も使いたがるので、一緒にやれる方法を試行錯誤しました。
当時住んでいた家が狭い台所で
・子どもがやりたがる内容を、親のストレスは少なくどうすればできるか?
が課題でした。考えると意外と方法はありました。
それをしてきた結果、4人の子どもたちは全員、小学生の時には、最低限の家事全般(料理掃除洗濯)ができるようになっていました。成長すると、面倒くさがってなかなかやらなくなりますが、「やらない」のと「やれない」のは雲泥の差です。必要な時には、サラッとやってくれています。
いろんな体験をしていくことで、子どもたちにはいつの間にか、「考える力」「工夫する力」「行動する力」が育っていました。「生きる力」が自然についていたのです。
親ががんばりすぎなくても、「生きる力」は育つということです。
「子育て」は時に大変なこともありますが、その時間をめいっぱい楽しむこともできます。
家事は、誰がやっても進むことが多いので、すべてを自分で背負わなくていいことに気づきました。分担するとスムーズに生活ができます。そして、みんなが家事の苦労を知っているので、人のことを思いやれるようになったのも良かったと思います。
子どもの力を信じて、手をかけすぎずに、目をかける
最初は勇気がいるかもしれませんが、その【コツ】をつかんだらあとはスムーズ。
その【コツ】をつかんだら、「子育て」丸ごとが、今よりもっと楽しくなります。子どもの成長も、親としての自分も成長していき、それは私にとってとても嬉しいことでした。
●親は 楽に
●子は 伸び伸びと
その【コツ】を、親に身につけてほしいと思い、2013年に設立したのが、親子料理教室の子育てKitchenですが、子どものチャレンジ、やる気を認め、より高く度から、楽に子育てできる環境作りを推し進めるために、防災・絵本・健康・人材教育など子育てにまつわる各ジャンルの専門家と共に、2016年に「NPO法人子育てKitchenグループ」になりました。子どもも大人も「楽に」に育ちあう「楽しい」社会をめざしています。
皆様のご理解とご支援のほどをよろしくお願いいたします。